Veeam Backup & Replication 10 P1 のオフラインアップデート手順
このパッチはもっと早い段階でのリリースが予定されていましたが、Veeam社のコロナ対応に伴うリモートワーク化の影響でリリースが延期されていました。P1では幾つかの不具合が修正されています。
詳しくは以下のページにあるリリースノートを確認しましょう。ここではパッチファイルもダウンロードできます。
『https://www.veeam.com/kb3127』
そういえば前回、vSphere7 GAのリグレッションテストについて触れましたが、リグレッションテストは終了したようです。VBR10については、1点だけ不具合が発見されたようです。
具体的な説明は割愛しますが、レプリカフェールオーバーでVMをホットアドトランスポートモードでムーブした際にエラーが出る事があるようです。回避策もあるようですが、5月中旬頃にリリースを予定されている累積パッチ2に修正が含まれるようです。
この件が修正されると VBR10で vSphere7 GAが正式にサポートされることになります。
なお、今回は OSの再起動はありませんので安心して終了しましょう。
なお、今回はVBSの最適化やコンポーネントのアップデートはありません。
Veeam Backup & Replication 10 のオフラインインプレースアップグレードについて
https://pandarin4.hateblo.jp/entry/2020/03/04/193058
なお、ジョブを停止していない場合は、アップグレードプロセスがエラーとなり実行できないので、うっかり止め忘れても障害等は発生しません。
注意点は、VBRのアップグレードではOSの再起動は伴いませんが、.Net Framework等のインストールではOS再起動が必須なことです。既存環境の実装状態によっては再起動が必要であることに注意しましょう。
既存システムにインストールされているコンポーネントが表示されます。Nextをクリックします。
なお、Community Editionの場合は、ここで何も指定せずに Nextをクリックします。
ローカルのアドミニストレータアカウントを指定します。インプレースアップグレードなのでそのままの状態で Nextをクリックします。
VBS (VBR構成データベース) を指定して Nextをクリックします。
プロキシサーバなどのリモートコンポーネントも同時にアップグレードする場合はチェックボックスにチェックを入れます。
なお、VBRコンソールにてあとから個別にアップグレードすることも可能です。
注意点としては、リモートコンポーネントにVBRをインストールしている場合、そのVBRのジョブも全て無効化しておく必要があります。かりにジョブを無効化せずに実行した場合は、リモートコンポーネントのアップグレードのみ失敗します。
Installation succeededと出力されるとインプレースアップグレードのインストールフェーズは完了です。Finishをクリックします。
『https://pandarin4.hateblo.jp/entry/2020/01/29/123251』
Veeam Backup & Replication 10 のインプレースアップグレードの留意点
(当初はインプレースアップグレードについて触れようとしていましたがボリュームが大きくなったので記事を分割しました)
まず、インプレースアップグレードの前提条件ですが、VBR9.5u3以降である必要があります。それ以下のバージョンの場合は、まずVBR9.5u3以上にバージョンアップする必要があります。
また、ライセンスファイルについても注意が必要です。v10では新しいライセンスファイル形式を使用するため、オフラインでのインプレースアップグレードの場合は、あらかじめVeeamカスタマーポータルからv10ライセンスを手動にてダウンロードしておく必要があります(もちろん有効な保守契約が必要です)。
オンラインの環境では、自動的にダウンロードできるので特に事前作業は不要です。なお、v10に関しては、メジャーバージョンアップであるため、自動アップグレードはサポートされていなません。
また、いつもフライングするVBRにしては珍しく、ESXi7.0には触れられていません。
※触れられていない=2週間以内にリリースされないという事ですね:)
インプレースアップグレードについては、ツイッター等でうたわれている通り、本当にスムーズで良いものだと思います。
基本的には、メジャーバージョンアップにも関わらずサーバの再起動も不要です。
ただし、例外もあります。詳細はアップグレードの記事で触れたいと思いますが、再起動が必須となる例もあります。
具体的には以下の3つソフトウェアがインストールされていない場合などは、再起動が必要になります。
Microsoft Installer 4.5
Microsoft PowerShell 2.0
Backup Proxy Serverは Window10でも動作しますが、Win7からバージョンアップした32bit版Win10ではサポートされないので注意が必要です。(VDDK5.5以降では、32bit版のWindowsOSはサポートされていません)
ちなみに同じような話では、リモートコンソールとして VBRコンソールを利用する場合も32bit版OSはサポートされていないので同じく注意が必要です。
Veeam Backup & Replication 9.5u4b のConfiguration Backupでのリストア手順
リストア前の前提条件は以下の通りです。
・日時でConfiguration Backup機能で、ローカル以外のRepositoryにVBR構成のバックアップを実行
・既存VBRのアンインストール(プログラムと機能から)
・VBRを新規インストール(※1)
・VBRに外部Repositoryを登録(※2)
・VBRをConfiguration Backupでリストア
ライセンスについてですが、有償版を使用している場合は、インストール時に現在使用している(過去のものではない)ライセンスを適用すれば良いです。
ちなみに Configuration Backup で VBR の構成バックアップの設定はココでします。今回はココであらかじめ取得したバックアップファイルを新規インストール直後のVBRにリストアします。
確認(もしくは編集)後に、"Collect" をクリックします。
バージョンを合わせる必要のある管理サーバを選択し、"Upgrade" をクリックします。
一見すると作業後のサマリ画面ですが、大事なことが書かれています。遵守しないと良からぬことが起こりそうなので遵守しましょう。
vCSA6.7u3aへのオフラインアップデート
vCenter Server Applianceの6.7u3がGAされました。若干ですが、細部に変更があったので多少追記も含め手順を記載します。既にパッチ6.7u3aがリリースされているので、記事では6.7u3aを取り扱います。
なお、本手順は VAMI(Vmware Appliance Management Interface)を利用した WebUI での手順です。CLI を使用した手順は従来通り、" software-packages "コマンドを使用してください。
1.パッチファイルのダウンロード
2.データストアにパッチファイルを格納
3.パッチファイルのマウント
4.VAMI でパッチファイルを適用
5.パッチファイルのアンマウント
パッチファイルはMyVMwareからダウンロードします。My VMware の画面デザインが変更となったため、製品パッチのリンクが少し変更されています。画面上から 製品 > 全ての製品およびプログラム > 製品パッチ を選択します。ファイル名は『VMware-vCenter-Server-Appliance-6.7.0.41000-14836122-patch-FP.iso』で41000 , 14836122 , FPと入っている事が特徴です。
適用するパッチファイルを選択しダウンロードします。
なお、vCSA のネイティブバックアップを利用している場合は、インストーラー『VMware-VCSA-all-6.7.0-14836122.iso』もあらかじめダウンロードしておくと良いと思います。インストーラーのダウンロードは " 製品のダウンロード " から行う必要があります。
2.データストアにパッチファイルを格納
パッチファイル (isoファイル) をデータストアに格納します。データストアに格納するのはvCSAにマウントするためです。データストア以外からマウントする場合は、この手順は不要です。
3.パッチファイルのマウント
vCSAの " 設定の編集 " で先ほどデータストアにアップロードしたパッチファイルをマウントします。
4.パッチファイルを適用
パッチの適用は、VAMI から実行します。VAMIへは https://<FQDN or IPAddress>:5480/ でアクセスします。
なお、vCSA6.7u3 では vCenterServer の FQDN の変更が可能になりました。最近はWindows版からvCSAへの移行が増えたため、命名規則の遵守のための名称変更のニーズが高まったことによる変更のようです (詳しくは VMwareBlog に記載があります)。
パッチの適用手順としては " 更新 " から実行しますが、適用前に現状のサービスの状態確認が必要な場合は " サービス " で状態を確認します。
CLIで状態確認を実施する場合は、" service-control --list " " service-control --status " あたりを確認すると良いと思います。
ちなみに、CLIですが私はターミナルソフト経由で実行していますが、WebClientのWebコンソールでも実行することができます。" Alt + F1 " " Alt + F2 "で切り替えます。
パッチの適用は " 更新 " から実行します。先ほどパッチファイルをマウントしているので自動的に使用可能な更新ファイルとして表示されます。
"更新前のチェックを実行" をクリックするとファイルのチェックと予想ダウンタイムが算出されます。
アップデートパッチはインストール前にステージングする必要があります。
" ステージングしてインストール " をクリックするとステージング後に自動的にインストールが実行されます。今回は後者を選択します。
EULA は、許諾して "次へ" を選択します。
CEIPは任意で選択し、 "次へ" を選択します。
" vCenter Server と、関連付けされたデータベースをバックアップしている。 " にチェックして " 完了 " を選択するとインストールが開始されます。
" バックアップに移動 " をクリックすると VAMI の 『ネイティブバックアップの 画面』が表示されます。
vCSA が再起動されると、しばらくの間 VAMI や WebClient にはログインできません。
5.パッチファイルのアンマウント
vCSAの "設定の編集" で先ほどマウントしたパッチファイルをアンマウントします。
以上です。
おまけ
なお、ネイティブバックアップを利用している場合は、" VMware Appliance Monitoring Service " を起動する必要があります。起動しないとネイティブバックアップを実行しても下図のようなエラーとなります。
健全性が " 健全 " になればOKです。
Veeam Backup & Replication 9.5u4b の証明書の再インストール手順
原因は、vCSA の証明書のエラーでした。対応としては証明書の再インストールで事象は収束します。手順について記載しておこうと思います。
やはり証明書の再インストールが必要そうです。
証明書ストアの配置を選択後、『次へ』をクリックします。
『完了』をクリックし証明書を再インストールします。
再インストールが完了すると下図のようなメッセージが出力されます。『OK』をクリックして証明書を閉じます。
Summary を確認すると、vCSA6.7u3a (build - 14792544) と接続できたことが出力されます。
Veeam Backup & Replication Community Edition 9.5u4bのインストール手順
① 9.5.3a など古いバージョンでは、インストールおよびアップデート後には、OSの再起動が必須です(9.5.4bでは不要です)。
② 9.5.3a から 9.5.4b に直接バージョンアップは出来ません。一度 9.4 にバージョンアップしてから 9.5.4b にバージョンアップする必要があります(複数回インストール作業を繰り返す必要があります)。
"Veeam Backup & Replication Community Edition" については、公式HPを参照してください。
https://www.veeam.com/jp/virtual-machine-backup-solution-free.html
① 最大10台のVM、またはVM、クラウド・インスタンス、物理サーバー、ワークステーションの組み合わせを保護します。
② 本番環境を保護できるほか、ホーム・ラボで使用したり、移行に使用したりできます。これらは無償で行えます。
Enterprise Plus Edition を試したい場合は、アカウント登録後に30日間のトライアルライセンスを発行してもらう必要があります。
ちなみに、vExpert もしくは VCP 以上の資格を所持していれば365日間の NFRライセンスを無償で提供してもらえます。わたしもちょっと試したいことがあったので vExpertとしてNFRライセンスを発行してもらいました。
Community Edition は10台までとはいえ、本番環境で利用できるのは大きいですね!
ちなみに間違えやすいポイントですが、インストーラーは Community Edition 、製品版の各Edition 、評価版の全てで同一です。各Edition 専用のインストーラーはありません。よって公式のどのリンクからダウンロードしても大丈夫です。
※何気にこの点は記載されていないので分かり難いですね。