PandaRin4’s blog

当ブログの記事は所属組織とは関係のない個人的見解です

Veeam Backup & Replication 10 P1 のオフラインアップデート手順

VBR10の初の累積パッチであるP1(KB3127)がリリースされました。VBR10 のオフライン環境でのパッチ適用手順について記載します

このパッチはもっと早い段階でのリリースが予定されていましたが、Veeam社のコロナ対応に伴うリモートワーク化の影響でリリースが延期されていました。P1では幾つかの不具合が修正されています。

詳しくは以下のページにあるリリースノートを確認しましょう。ここではパッチファイルもダウンロードできます。
https://www.veeam.com/kb3127
 

ういえば前回、vSphere7 GAのリグレッションテストについて触れましたが、リグレッションテストは終了したようです。VBR10については、1点だけ不具合が発見されたようです。
具体的な説明は割愛しますが、レプリカフェールオーバーでVMをホットアドトランスポートモードでムーブした際にエラーが出る事があるようです。回避策もあるようですが、5月中旬頃にリリースを予定されている累積パッチ2に修正が含まれるようです。
この件が修正されると VBR10で vSphere7 GAが正式にサポートされることになります。
 
ちなみに VBR9.5 u4での vSphere7のサポートは予定されていないので、vSphere7環境で VBRを利用したい場合は、VBR10を導入することが必須となるので注意が必要です。
 
VBR10から VBR10P1へのアップデートの前提条件ですが、VBR10(GAビルド10.0.0.4461)である必要があります。9.5に適用することは出来ません。
 
お、VBRサーバがインターネットに接続されていて更新通知 ( Update notification )が有効化されている場合は、Veeam Update Notification ServerからXMLファイルを週に1回ダウンロードし、製品バージョン、パッチを比較します。アップデートが利用可能な場合は、自動更新の案内がポップアップされていることと思います。
ちなみに Update notificationはデフォルトでは有効化されています。
オフライン環境では有効化・無効化に関わらず特に何も発生しません。
 
念のため無効化(有効化)の手順を軽く触れておきます。
 
メインメニューから General Optionsを選択します。

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表示される Optionsの Notificationタブをクリックし、Update Notificationのチェックボックスチェックを外すと更新通知が無効化されます(チェックを入れると有効化されます)。

" OK " もしくは " Apply "をクリックして設定を反映します。

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マニュアルでは有効化が推奨されています
こからパッチ適用手順になります。手順についてはアップグレード等と違い、エディション差はありません( Community Editionも他のエディションと同様です)。
 
まず有効化されているジョブを全て無効化します。

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いつもと同じですね
あらかじめダウンロードしておいたパッチファイル( ZIPファイル )の中の exeを実行します。

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KB3127からダウンロードできます
インストーラーウィザードが表示されるので、"OK"をクリックします。

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今回は相当軽いです
"Install"をクリックします。

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インストールが終了するまで待ちます
インストールが終了したら "Finish"をクリックします。
なお、今回は OSの再起動はありませんので安心して終了しましょう。

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これでインストール自体は完了です
パッチ適用後は、コンソールを起動し無効化したジョブを有効化します。
なお、今回はVBSの最適化やコンポーネントのアップデートはありません。
 
ビルドが 10.0.0.4461 P1になっています。

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パッチ適用は非常に簡単ですね
 
VBR10 P1の適用手順は以上です。 

Veeam Backup & Replication 10 のオフラインインプレースアップグレードについて

月 VBR10の初の累積パッチである p1(KB3127)がリリースされましたが、そもそも VBR10のインプレースアップグレードについて触れていなかったので、先にアップグレードについて記載します。
 #記事をUpするのをうっかり忘れていました
 

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VBR9.5 から VBR10へのインプレースアップグレードの前提条件ですが、VBR9.5u3以降である必要があります。もう少し詳細な条件につては以下の記事とリリースノートを確認してください。
https://pandarin4.hateblo.jp/entry/2020/03/04/193058
 
なお、リリースノートのサポート欄にには vSphere7は記載されていませんが、シンプルな機能は動作します。これは VBR10の GA前にリリースされていた vSphere7 RCビルドがサポートされていたためです。ただし、vSphere7については、現在進行中のリグレッションテストが終わるまで正式サポートにはなりません。
 
 
ップグレードのような大きな変更を加える前は、念のため元に戻すための準備を出来る限りしましょう。

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わたしは、念のためスナップショットを取得しています
アップグレードにおいても事前に全てのジョブを停止させる必要があります。これはアップグレード中にジョブが開始されないためです。アップグレードを実行する際は、ジョブを停止しても良いタイミングを選択しましょう。
なお、ジョブを停止していない場合は、アップグレードプロセスがエラーとなり実行できないので、うっかり止め忘れても障害等は発生しません。

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全てのジョブを無効化しましょう
VBR10 の ISOファイルをマウントし Setup.exe を実行します。

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ISOファイルはあらかじめダウンロードしておきましょう
お馴染みのインストーラー画面が出力されたら Upgradeをクリックします。

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どちらをクリックしてもかまいません
なお前提条件に満たない場合は、ここでエラーが出力されます。よくあるものを貼っておきます。

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ジョブの無効化のみで大丈夫です
(コンソールではなく)VBRサーバの.Net Framework等が条件に満たない場合は、インストールを促されます。
注意点は、VBRのアップグレードではOSの再起動は伴いませんが、.Net Framework等のインストールではOS再起動が必須なことです。既存環境の実装状態によっては再起動が必要であることに注意しましょう。

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再起動のタイミングは任意で選択可能です
許諾して Nextをクリックしましょう。なお、コピーは 『veeam.com/eula.html』 にあります。

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EULAです

 

既存システムにインストールされているコンポーネントが表示されます。Nextをクリックします。

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ビルドNoも確認できます

 

ライセンスファイルを指定します。VBR10では新しいライセンスファイル形式になっているため、オフライン環境ではライセンスファイルはVBR10用のものをあらかじめ用意する必要があります。
なお、Community Editionの場合は、ここで何も指定せずに Nextをクリックします。

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.licファイルを指定します

ローカルのアドミニストレータアカウントを指定します。インプレースアップグレードなのでそのままの状態で Nextをクリックします。

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VBS (VBR構成データベース) を指定して Nextをクリックします。

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コメントが出力されますが "はい(Y)" を選択します

プロキシサーバなどのリモートコンポーネントも同時にアップグレードする場合はチェックボックスにチェックを入れます。
なお、VBRコンソールにてあとから個別にアップグレードすることも可能です。
注意点としては、リモートコンポーネントVBRをインストールしている場合、そのVBRのジョブも全て無効化しておく必要があります。かりにジョブを無効化せずに実行した場合は、リモートコンポーネントのアップグレードのみ失敗します。
Installをクリックするとインストールが開始されます。

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シンプルな構成ではチェックしても問題ありません

Installation succeededと出力されるとインプレースアップグレードのインストールフェーズは完了です。Finishをクリックします。

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Setup.exeの表示も Installに変わります
 
アップグレード後はコンソールを起動します。
コンポーネントのアップグレード確認画面が出力されるのでアップデートする対象を選択して Applyをクリックします。

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このあと Finishをクリックするとアップグレードは終了します
アップグレード完了後は、ISOファイルをアンマウントし、無効化したジョブを有効化しましょう。
なお、注意点としては、アップグレード直後はVBR構成データベースが最適化されているため、VBRサーバのパフォーマンスが低下する可能性があります。この最適化はデータベースのサイズに依存しており、1時間程度かかる場合もあります。
 
 
後にVBRを大きく変更したので、念のため Configuration Backup機能を利用してVBRサーバ自体の構成をバックアップしておきましょう。
Configuration Backup機能については以下を参照してください。
https://pandarin4.hateblo.jp/entry/2020/01/29/123251

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"Backup now" をクリックすると手動実行されます
オフライン環境のインプレースアップグレード手順は以上です。

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VBR10になりました
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Veeam Backup & Replication 10 のインプレースアップグレードの留意点

VBRの新メジャーであるv10がリリースされましたが、アップグレードの前に留意点があるので軽く触れたいと思います。
(当初はインプレースアップグレードについて触れようとしていましたがボリュームが大きくなったので記事を分割しました)

ず、インプレースアップグレードの前提条件ですが、VBR9.5u3以降である必要があります。それ以下のバージョンの場合は、まずVBR9.5u3以上にバージョンアップする必要があります。
また、ライセンスファイルについても注意が必要です。v10では新しいライセンスファイル形式を使用するため、オフラインでのインプレースアップグレードの場合は、あらかじめVeeamカスタマーポータルからv10ライセンスを手動にてダウンロードしておく必要があります(もちろん有効な保守契約が必要です)。
 

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.licファイルがダウンロードされます。

オンラインの環境では、自動的にダウンロードできるので特に事前作業は不要です。なお、v10に関しては、メジャーバージョンアップであるため、自動アップグレードはサポートされていなません。
次に対応するプラットフォームですが、リリースノートによるとESXi5.5以上になります。
また、いつもフライングするVBRにしては珍しく、ESXi7.0には触れられていません。
※触れられていない=2週間以内にリリースされないという事ですね:)

ンプレースアップグレードについては、ツイッター等でうたわれている通り、本当にスムーズで良いものだと思います。
基本的には、メジャーバージョンアップにも関わらずサーバの再起動も不要です。
ただし、例外もあります。詳細はアップグレードの記事で触れたいと思いますが、再起動が必須となる例もあります。
具体的には以下の3つソフトウェアがインストールされていない場合などは、再起動が必要になります。
Microsoft .NET Framework 4.7.2
Microsoft Installer 4.5
Microsoft PowerShell 2.0
 
このうち、確認が必要なのは、.NET Frameworkです。VBR9.5では .NET Framework の要件は 4.5.2 だったのでv10にアップグレードするにあたっては、現状のサーバにインストールされているバージョンによっては、再起動が必要となります。他の2つは必須バージョンの要件に変更はありません。
 

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インストーラーを起動しても先にこの画面に遷移するので安心です。
ちなみにややこしい話ですが、VBRコンソールに関しては、v10においても.NET Frameworkは4.5.2で大丈夫です。VBRのみ4.7.2が必須となります。
なお、VBRコンソール繋がりで脱線すると、複数のVBRがありそれぞれが異なるバージョンである場合、VBRコンソールはそれぞれのバージョンが必要になります。VBRコンソールに下位互換はありません
 
と、今どきの注意点としては、v10に限った事ではありませんが、ESXi5.5以降の環境でBackup Proxy Serverを使用する場合は、64bit版OSでしかサポートされません。
Backup Proxy Serverは Window10でも動作しますが、Win7からバージョンアップした32bit版Win10ではサポートされないので注意が必要です。(VDDK5.5以降では、32bit版のWindowsOSはサポートされていません)
ちなみに同じような話では、リモートコンソールとして VBRコンソールを利用する場合も32bit版OSはサポートされていないので同じく注意が必要です。
いずれにせよ、リリースノートについては関係ある箇所のみで良いので目を通すほうが良いと思います。今回のリリースノートについてはいつものような数ページ物とは異なり、全36ページの大作になっていることからも分かる通り、色々と大切なことが記載されています。
ちなみに、個人的にリリースノートを読んでいて非常に参考になったのは以下です。
Backup Copy job は、最新のバックアップファイルチェーンのみを処理します。既存のすべてのバックアップをコピーするには、バックアップサーバーの“HKLM\SOFTWARE\Veeam\Veeam Backup and Replication”キーの “BackupCopyMirrorAll(REG_MULTI_SZ”)レジストリ値を作成します。なお、この値には、バックアップコピージョブ名を入力する必要があります。
 
回は、実際にインプレースアップグレードについて触れたいと思います。

Veeam Backup & Replication 9.5u4b のConfiguration Backupでのリストア手順

ょっとした障害で、Veeam Backup & Replication 9.5をリカバリする必要があったため、VBR自体のリストアについて記録しておこうと思います。
 
NAS(NFS Datastore)の障害でVBRを再構築しなければならなくなったので、Configuration Backup機能でVBRをリストアしました。
前提として使用している環境は ESXi6.7u3a + VBRは9.5u4b です。

リストア前の前提条件は以下の通りです。
 ・日時でConfiguration Backup機能で、ローカル以外のRepositoryにVBR構成のバックアップを実行
 
リストアに際して実行したことを箇条書きにすると以下です。
 ・既存VBRのアンインストール(プログラムと機能から)
 ・VBRを新規インストール(※1
 ・VBRに外部Repositoryを登録※2
 ・VBRをConfiguration Backupでリストア
※1 新規インストール手順は『https://pandarin4.hateblo.jp/entry/2019/11/17/212539』を参照してください。
※2 Configuration Backupでのバックアップや外部Repositoryの登録については暇があれば今後触れるかもしれません。
 
なお、注意点としては、適用するConfiguration Backupのデータと新規インストールしたVBRのバージョンを合わせる事です。これをやっておかないと途中でエラーになります。
ライセンスについてですが、有償版を使用している場合は、インストール時に現在使用している(過去のものではない)ライセンスを適用すれば良いです。
 

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インストール直後は、usedが0になっていますが、リストアすると元に戻ります。
今回はConfiguration Backupでリストアの手順です。
注意点ですが、VBRのアンインストールと同様にリストアについても、VBRの全てのジョブが無効化されている必要があります。リストアは全てのジョブを無効化してから実行してください。
 
上のメニューから "Configuration Backup" を選択します。

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"LICENSE INFORMATION" と同じ要領です。
Configuration Backup Settings ウィンドウの右下にある "Restore..." をクリックします。
ちなみに Configuration Backup で VBR の構成バックアップの設定はココでします。今回はココであらかじめ取得したバックアップファイルを新規インストール直後のVBRにリストアします。

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画面はインストール直後のデフォルトの画面です。
Veeam Backup and Replication Configuration Restore ウィンドウの "Restore" を選択し "Next" をクリックします。

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今回は同サーバ上でリストアするので Restore を選択します。
ココではバックアップファイルをダウンロードする Backup repository と適用するリストアポイントを選択します。

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Repository を選択するとカレントを参照できるようになります。

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Repository を選択します。

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リストアポイントを選択します。
"Analyze" をクリックすると選択したバックアップファイルのダウンロードが実行されます。正常にダウンロードされ画面が遷移することを待ちます。

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今回は外部Repository を選択しているので、 IP Reachability が無いとエラーになります。
バックアップの内容を確認後、問題なければ "Next" をクリックします。

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Creation time が自分が選択したリストアポイントであればOKです。
使用する VBR データベースを任意のパラメータに指定し、"Connect" をクリックします。

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画面は標準インストール時のデフォルト値で使用している場合のものです。
 
Restore のオプションを選択します。ジョブセッションを含めどこまで戻すのか、PowerShellの有効化や実行前のバックアップ有無など選択します。"Restore" をクリックするとリストアが開始されるので、リストアが終了するまで待ちます。
なお、全てのジョブが無効化されていない場合、ここでエラーとなります。

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デフォルトでは全ての項目にチェックが入っています。
リストアが終了したら "Next" をクリックします。

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ちなみにリストアが開始されると自動的に VBR Console が終了します。
登録している Credential の情報が一覧表示されます。カーソルを合わせるとその Credential を使用しているジョブの情報を確認できます。Credential を選択し、"Edit" をクリックすると編集も行えます。
確認(もしくは編集)後に、"Collect" をクリックします。

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Credential に紐づいているジョブが確認できるのは便利です。
VBR上のコンポーネントのステータスが確認され、古いコンポーネントが含まれている場合、リストア後のバージョンにアップグレードしようとします。
バージョンを合わせる必要のある管理サーバを選択し、"Upgrade" をクリックします。

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管理する単位が異なるサーバが一覧に含まれている場合は、チェックを外します。
アップグレードが終わっていたら "Start" をクリックします。

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PLEASE WAIT が出るので少し待ちます。
リストアの全ての手順が終わり、"Finish" をクリックすると終了します。"Launch the Backup & Replication user interface" にチェックを入れていると VBR Console が自動的に起動されます。
一見すると作業後のサマリ画面ですが、大事なことが書かれています。遵守しないと良からぬことが起こりそうなので遵守しましょう。

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大事なことなので2回言いました的な記載ですね・・・。
以上がリストア手順です。
 
 
ただし、Summary の記載にもありますが、リストア直後はジョブが全て無効化されているので、忘れずに必要なジョブを有効化する必要があります。

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ジョブによっては有効化すると実行されるものもあるので気を付けましょう。
なお、リストアが完了するとライセンスの状況が自動的に反映されます(ジョブを実行する必要がありません)。

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新規インストール直後は、未使用だったライセンスが消費されています。
Configuration Backup はバックアップの設定もリストアも容易に行えるとても便利な機能です。バックアップファイル(.bcoファイル)の容量も数十MBと軽いのでRepositoryの負担にもなりません。VM等のバックアップジョブと同じく登録しておくと万が一の際に便利だと思います。
 

vCSA6.7u3aへのオフラインアップデート

 vCenter Server Applianceの6.7u3がGAされました。若干ですが、細部に変更があったので多少追記も含め手順を記載します。既にパッチ6.7u3aがリリースされているので、記事では6.7u3aを取り扱います。
なお、本手順は VAMIVmware Appliance Management Interface)を利用した WebUI での手順です。CLI を使用した手順は従来通り、" software-packages "コマンドを使用してください。

 
最低限の手順としては以下のような流れです。
1.パッチファイルのダウンロード
2.データストアにパッチファイルを格納
3.パッチファイルのマウント
4.VAMI でパッチファイルを適用
5.パッチファイルのアンマウント
 
1.パッチファイルのダウンロード
パッチファイルはMyVMwareからダウンロードします。My VMware の画面デザインが変更となったため、製品パッチのリンクが少し変更されています。画面上から 製品全ての製品およびプログラム > 製品パッチ を選択します。ファイル名は『VMware-vCenter-Server-Appliance-6.7.0.41000-14836122-patch-FP.iso』で41000 , 14836122 , FPと入っている事が特徴です。

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MyVMwareのアカウントが必要です。

適用するパッチファイルを選択しダウンロードします。

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チェックボックスにチェックを入れます。

 

なお、vCSA のネイティブバックアップを利用している場合は、インストーラー『VMware-VCSA-all-6.7.0-14836122.iso』もあらかじめダウンロードしておくと良いと思います。インストーラーのダウンロードは " 製品のダウンロード " から行う必要があります。

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インストーラーはリストア時に必要になります。そしてバージョンを揃える必要あります。

2.データストアにパッチファイルを格納
パッチファイル (isoファイル) をデータストアに格納します。データストアに格納するのはvCSAにマウントするためです。データストア以外からマウントする場合は、この手順は不要です。

 

3.パッチファイルのマウント

vCSAの " 設定の編集 " で先ほどデータストアにアップロードしたパッチファイルをマウントします。

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データストアのisoファイルを選択します。

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VMware-vCenter-Server-Appliance-6.7.0.41000-14836122-patch-FP.iso』を選択します。

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" 接続中 "にチェックを入れてOKをクリックします。

4.パッチファイルを適用

パッチの適用は、VAMI から実行します。VAMIへは https://<FQDN or IPAddress>:5480/ でアクセスします。

なお、vCSA6.7u3 では vCenterServer の FQDN の変更が可能になりました。最近はWindows版からvCSAへの移行が増えたため、命名規則の遵守のための名称変更のニーズが高まったことによる変更のようです (詳しくは VMwareBlog に記載があります)。

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パッチの適用手順としては " 更新 " から実行しますが、適用前に現状のサービスの状態確認が必要な場合は " サービス " で状態を確認します。

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CLIで状態確認を実施する場合は、" service-control --list " " service-control --status " あたりを確認すると良いと思います。

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ちなみに、CLIですが私はターミナルソフト経由で実行していますが、WebClientのWebコンソールでも実行することができます。" Alt + F1 " " Alt + F2 "で切り替えます。

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パッチの適用は " 更新 " から実行します。先ほどパッチファイルをマウントしているので自動的に使用可能な更新ファイルとして表示されます。

"更新前のチェックを実行" をクリックするとファイルのチェックと予想ダウンタイムが算出されます。

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予測ダウンタイムは全く参考になりません。実際はかなり短くなります。

アップデートパッチはインストール前にステージングする必要があります。
" ステージングのみ " をクリックするとステージングのみが実行され、ステージングが終わると表示が "インストール" に変更されます。そのまま"インストール" をクリックするとアップデートのインストールが開始されます。
" ステージングしてインストール " をクリックするとステージング後に自動的にインストールが実行されます。今回は後者を選択します。

EULA は、許諾して "次へ" を選択します。

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CEIPは任意で選択し、 "次へ" を選択します。

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" vCenter Server と、関連付けされたデータベースをバックアップしている。 " にチェックして " 完了 " を選択するとインストールが開始されます。
" バックアップに移動 " をクリックすると VAMI の 『ネイティブバックアップの 画面』が表示されます。

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バックアップが無くても実行可能です。
インストールが開始されるとインストールの進行状況が表示されます

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WebClient では、接続できない理由を表示してくれています。

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vCSA が再起動されると、しばらくの間 VAMI や WebClient にはログインできません。

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インストールが完了し VAMI や WebClient へのログインの可否を知りたい方は、HostClientのWebコンソールでvCSAを確認するのが良いと思います。アップデート後の各種サービスの起動中のため、下図の画面であれば VAMI にはログインできません。ただし、6.7u3 からは WebClient には早めにログインが可能になりました。

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下図の画面が表示されればインストールは完了しているので VAMI と WebClient の両方にログイン可能です。

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インストールが正常終了している場合は、VAMIにログインするとインストールの進捗状況が『正常にインストールされました』になっていることが分かります。

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なお、デフォルトのサービスが全て起動していない事もあるので何か作業をしたい場合は、念のためサービスの状態を確認したほうが良いです。

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起動中のサービスは暫く待つ必要があります。
 

5.パッチファイルのアンマウント

vCSAの "設定の編集" で先ほどマウントしたパッチファイルをアンマウントします。

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以上です。

 

 

 

おまけ
なお、ネイティブバックアップを利用している場合は、" VMware Appliance Monitoring Service " を起動する必要があります。起動しないとネイティブバックアップを実行しても下図のようなエラーとなります。

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サービスの起動はサービスから行います。

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起動するサービスを選択し、" 起動 " をクリックします。

 

健全性が " 健全 " になればOKです。

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サービス起動後は、ネイティブバックアップも正常に完了します。
デフォルトのサービス以外のサービスを起動している場合は、作業後の確認は必須です。

Veeam Backup & Replication 9.5u4b の証明書の再インストール手順

日、vCSA を 6.7u3a (build - 14792544) にアップデートしたところ、VBR のバックアップジョブがエラーとなる現象がありました。
原因は、vCSA の証明書のエラーでした。対応としては証明書の再インストールで事象は収束します。手順について記載しておこうと思います。
なお、VBR は、現時点での最新版 (9.5u4b)を利用しています。
vCSA 、VBR ともに2019/11時点での最新版です。
ちなみに、エディション違いの環境で試してみましたが、無償版、製品版に関係なく現象は発現します
 
 
Credentials の確認を行う画面で下図のようなメッセージが出力されます。
ブラウザーなどでよく見かけるメッセージですね。
ブラウザーなどだと、危険性を無視して接続するなどで対応もできます。
"An untrusted certificate is installed on vCSA and secure communication cannot be guaranteed.Connect to this server anyway?"
『信頼できない証明書がvCSAにインストールされており、安全な通信を保証できません。とにかくこのサーバーに接続しますか?』

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Certificate Security Alert はどこから出力させても大丈夫です。
本来の手順としては、証明書の再インストールを行うのですが、せっかくなのでこの状態でとにかく接続してみます。" Continue "を選択した場合の出力は下図の通りです。
やはり証明書の再インストールが必要そうです。

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とにかく接続してみたもののダメです。
証明書の再インストール手順ですが、Certificate Security Alert の" View "をクリックします。

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エラー出力を閉じると Certificate Security Alert に戻れます。
証明書が出力されるので『証明書のインストール(I)』をクリックします。

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この証明書を差し替えることになります。詳細タブで証明書の内容が閲覧できます。
証明書の保存場所を選択して『次へ』をクリックします。
 

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例では『現在のユーザ』を選択しています。
証明書ストアの場所を選択できるようですが、『自動』を選択する方が良いと思います。
証明書ストアの配置を選択後、『次へ』をクリックします。

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証明書ストアの説明は記載されています。

『完了』をクリックし証明書を再インストールします。

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完了をクリックすると証明書の再インストールが即時実行されます。

再インストールが完了すると下図のようなメッセージが出力されます。『OK』をクリックして証明書を閉じます。

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証明書の再インストールでは、OS や VBR の再起動は不要です。

 
Certificate Security Alert の" Continue "をクリックして vCSA への接続を試行して問題無く接続可能なことを確認します。

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証明書を閉じた直後の Certificate Security Alert でも大丈夫です。

Summary を確認すると、vCSA6.7u3a (build - 14792544) と接続できたことが出力されます。

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今後もバージョンアップ後は、同じように証明書の再インストールが必要なことがあるかもしれませんね。
個人的には、Certificate Security Alert の出力に『証明書の再インストールは " View "をクリックしてください』などのメッセージがあると良いと思いました。
 

Veeam Backup & Replication Community Edition 9.5u4bのインストール手順

能評価のため、VBRの無償版である "Veeam Backup & Replication Community Edition" をインストールしたので手順を記録しておこうと思います。
 
今回、9.5.3a と 9.5.4b をインストールしてみましたが、手順自体は現時点での最新版である 9.5.4b を記載します。
なお、違いですが2点あります。
① 9.5.3a など古いバージョンでは、インストールおよびアップデート後には、OSの再起動が必須です(9.5.4bでは不要です)。
② 9.5.3a から 9.5.4b に直接バージョンアップは出来ません。一度 9.4 にバージョンアップしてから 9.5.4b にバージョンアップする必要があります(複数回インストール作業を繰り返す必要があります)。
よって、初回インストールは、最新版をインストールすることをお勧めします。

"Veeam Backup & Replication Community Edition" については、公式HPを参照してください。
https://www.veeam.com/jp/virtual-machine-backup-solution-free.html
Community Edition の要点は2点です。
最大10台VM、またはVMクラウドインスタンス、物理サーバー、ワークステーションの組み合わせを保護します。
本番環境を保護できるほか、ホーム・ラボで使用したり、移行に使用したりできます。これらは無償で行えます。
そう、EditionはStandardと同等の機能で、対象台数も最大10台までですが、本番環境でも無償で利用できます。非常に太っ腹です。

Enterprise Plus Edition を試したい場合は、アカウント登録後に30日間のトライアルライセンスを発行してもらう必要があります。
ちなみに、vExpert もしくは VCP 以上の資格を所持していれば365日間の NFRライセンスを無償で提供してもらえます。わたしもちょっと試したいことがあったので vExpertとしてNFRライセンスを発行してもらいました。
ただし、NFRライセンスなので本番環境で利用することはNGですね。
Community Edition は10台までとはいえ、本番環境で利用できるのは大きいですね!

ちなみに間違えやすいポイントですが、インストーラーは Community Edition 、製品版の各Edition 、評価版の全てで同一です。各Edition 専用のインストーラーはありません。よって公式のどのリンクからダウンロードしても大丈夫です。
※何気にこの点は記載されていないので分かり難いですね。
 
 
ウンロードサイトから isoファイルをダウンロードします。

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Community Editionのサイトからのダウンロードであればサイトへの登録は不要です。
isoファイルをマウントしたら Setup.exe を起動します。

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Setup.exe は直下にあります。ちなみに使用しているOSは Windows Server2016 です。
Install をクリックします。(コンソールなどコンポーネントを個別にインストールしたい場合は任意に選択します。)

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Community Edition も同じです。
EULA 的なチェックをして Next をクリックします。

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承諾します。
Community Edition のインストールにおいて最も重要なポイントがこの手順です。
製品版やNFRライセンス版をインストールしたい場合は、それぞれのライセンスファイルを選択します。

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このポイント以外に各Editionによる手順の差異はありません。
インストールする場所を選択します。

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図は Default です。
VBR で使用する DB やその他の必須コンポーネントについての状態が表示されます。 Install をクリックすると " Failed " となっているコンポーネントがインストールされます。

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Install をクリックすると不足分のコンポーネントのインストールが始まります。
インストールが完了すると全ての状態が " Passed " になります。Next をクリックします。

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Install をクリックします。クリックするとインストールが始まります。環境によりますがインストールには意外と時間がかかります。一般的なサーバ環境では30分程度は必要です。

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VMware WorkStation などではかなり時間を要します。
Finish をクリックするとインストールが完了します。

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以前のバージョンではこの後に OS の再起動が必要でしたが最新版では不要です。
インストールを完了するとインストーラーが起動している状態に戻ります。VBRを利用するにはインストーラーを終了し、デスクトップのショートカットをクリックしVBR Console を起動します。

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デスクトップのショートカットは Veeam Backup & Replication Console の起動用です。
Connect をクリックしてログインします。

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リモートからのログインの場合は、ID/Passwordを入力する必要があります。
初回ログイン時に出力されます。Apply をクリックします。

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Finish をクリックするとVBR が使用できるようになります。

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この後、必要に応じてvCenter、プロキシ、リポジトリの登録、ジョブの作成などをします。
ライセンスの状態を確認すると Community Edition として動作しており、残り10台までバックアップを行えることが分かります。ジョブを作成し、実行すると Used の数字がカウントされます。

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他のライセンスをインポートした場合は Install License をクリックします。
VBR は Standard Edition でも基本的なバックアップリカバリの機能を十分に有しています。Community Edition は10台までの制限があるとはいえ、無償でその機能が利用できます。無償ではありますが中身は Standard Edition なので、例えばESXi5.x 上のVMをESXi6.7 に移行するなど、もっている機能を応用することによって色々なオペレーションに対応が可能です。
10台以上の規模での評価や 高Editionの機能の評価が含まれていないのであれば、評価時においても Community Edition はお勧めです。