PandaRin4’s blog

当ブログの記事は所属組織とは関係のない個人的見解です

Veeam Backup & Replication 10 のインプレースアップグレードの留意点

VBRの新メジャーであるv10がリリースされましたが、アップグレードの前に留意点があるので軽く触れたいと思います。
(当初はインプレースアップグレードについて触れようとしていましたがボリュームが大きくなったので記事を分割しました)

ず、インプレースアップグレードの前提条件ですが、VBR9.5u3以降である必要があります。それ以下のバージョンの場合は、まずVBR9.5u3以上にバージョンアップする必要があります。
また、ライセンスファイルについても注意が必要です。v10では新しいライセンスファイル形式を使用するため、オフラインでのインプレースアップグレードの場合は、あらかじめVeeamカスタマーポータルからv10ライセンスを手動にてダウンロードしておく必要があります(もちろん有効な保守契約が必要です)。
 

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.licファイルがダウンロードされます。

オンラインの環境では、自動的にダウンロードできるので特に事前作業は不要です。なお、v10に関しては、メジャーバージョンアップであるため、自動アップグレードはサポートされていなません。
次に対応するプラットフォームですが、リリースノートによるとESXi5.5以上になります。
また、いつもフライングするVBRにしては珍しく、ESXi7.0には触れられていません。
※触れられていない=2週間以内にリリースされないという事ですね:)

ンプレースアップグレードについては、ツイッター等でうたわれている通り、本当にスムーズで良いものだと思います。
基本的には、メジャーバージョンアップにも関わらずサーバの再起動も不要です。
ただし、例外もあります。詳細はアップグレードの記事で触れたいと思いますが、再起動が必須となる例もあります。
具体的には以下の3つソフトウェアがインストールされていない場合などは、再起動が必要になります。
Microsoft .NET Framework 4.7.2
Microsoft Installer 4.5
Microsoft PowerShell 2.0
 
このうち、確認が必要なのは、.NET Frameworkです。VBR9.5では .NET Framework の要件は 4.5.2 だったのでv10にアップグレードするにあたっては、現状のサーバにインストールされているバージョンによっては、再起動が必要となります。他の2つは必須バージョンの要件に変更はありません。
 

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インストーラーを起動しても先にこの画面に遷移するので安心です。
ちなみにややこしい話ですが、VBRコンソールに関しては、v10においても.NET Frameworkは4.5.2で大丈夫です。VBRのみ4.7.2が必須となります。
なお、VBRコンソール繋がりで脱線すると、複数のVBRがありそれぞれが異なるバージョンである場合、VBRコンソールはそれぞれのバージョンが必要になります。VBRコンソールに下位互換はありません
 
と、今どきの注意点としては、v10に限った事ではありませんが、ESXi5.5以降の環境でBackup Proxy Serverを使用する場合は、64bit版OSでしかサポートされません。
Backup Proxy Serverは Window10でも動作しますが、Win7からバージョンアップした32bit版Win10ではサポートされないので注意が必要です。(VDDK5.5以降では、32bit版のWindowsOSはサポートされていません)
ちなみに同じような話では、リモートコンソールとして VBRコンソールを利用する場合も32bit版OSはサポートされていないので同じく注意が必要です。
いずれにせよ、リリースノートについては関係ある箇所のみで良いので目を通すほうが良いと思います。今回のリリースノートについてはいつものような数ページ物とは異なり、全36ページの大作になっていることからも分かる通り、色々と大切なことが記載されています。
ちなみに、個人的にリリースノートを読んでいて非常に参考になったのは以下です。
Backup Copy job は、最新のバックアップファイルチェーンのみを処理します。既存のすべてのバックアップをコピーするには、バックアップサーバーの“HKLM\SOFTWARE\Veeam\Veeam Backup and Replication”キーの “BackupCopyMirrorAll(REG_MULTI_SZ”)レジストリ値を作成します。なお、この値には、バックアップコピージョブ名を入力する必要があります。
 
回は、実際にインプレースアップグレードについて触れたいと思います。