Veeam Backup & Replication 10a P20201202 のオフラインアップグレード手順
Veeam Backup & Replication 10(VBR10)は、VBR10の累積パッチ3にあたるP20201202(KB4050)がリリースされました。
インタネットに接続されていないオフライン環境にパッチ3を適用したのでその手順を記載します。
今回のパッチからパッチ自体の名称が変更となっています。前回まではP2(累積パッチ2)と呼ばれていましたが、今回からパッチ作成日(P20201202)を名称にするようです。なお、今後は以前のパッチに含まれるすべての修正が含まれるようになるとのことなので、常に最新のパッチを適用するだけで済むようになります。
本バージョンであるVBR10a P20201202が適用されると ビルド表記は"10.0.1.4854 P20201202"となります。
VBR9.5u4b 9.5.4.2866
VBR10 10.0.0.4461
VBR10 P1 10.0.0.4461 P1
VBR10 P2 10.0.0.4461 P2
VBR10a 10.0.0.4854
VBR10a P20201202を適用するにあたって何点か留意点がありますので、先に触れておきます。
1点目
バージョンアップの前提条件ですが、VBR10a(10.0.1.4854)を実行している必要があります。要するに最新版である必要があります。VBR10 P2以前のビルドを実行している場合は、先にVBR10aを適用する必要があります。
2点目
本バージョンにて VMware vSphere 7.0 U1 が正式にサポートされます。これでU1にて追加された新しいvSphereAPIが認識され、仮想ハードウェアバージョン18がサポートされます。また、(一部で物議をかもしている)vSphere Clustering Service (vCLS)で使用されるシステムVMの自動除外機能が実装されます。
正式サポートという意味では、(これも一部で物議をかもしていた)Windows10およびWindows Server 20H2についても本バージョンにてサポートされます。(これでEdgeの入れ直しとか不要になりますね!)
3点目
パッチはKBにリンク(KB4050: Release notes for Veeam Backup & Replication 10a Cumulative Patch 20201202)があります。ここではパッチとインストーラーをダウンロードできますが、パッチ適用であればインストーラーは不要です("DOWNLOAD UPDATE"を選択しましょう)。
ここからアップグレード手順になります。
まず有効化されているジョブを全て無効化します。全てのジョブを無効化したらVBRコンソールも終了します。
これは、パッチ適用中にバックグラウンドでジョブが開始されることを防ぐために必要な手順となります。なお、ジョブにはバックアップジョブだけでなく他のジョブ(バックアップコピーなど)も含まれます。
なお、無効化していないジョブがある場合や、VBRコンソールを終了していない場合はエラーメッセージが出力されインストールが継続できないようになっています。
ダウンロードしておいた"VeeamBackup&Replication_10.0.1.4854_KB4050.exe"を実行します。
パッチのインストーラーが表示されるので "Next" をクリックします。
VBRサーバ以外のコンポーネントのアップグレードオプションの確認です。必要に応じてチェックボックスをチェックし "Install" をクリックし、インストールを開始します。
チェックボックスにチェックを入れなくてもVBRサーバのパッチ適用後にVBRコンソールから他のコンポーネントへのパッチ適用も実行できます。実行方法は後ほど説明します。
インストールが終了したら "Finish" をクリックしてインストーラーを終了します。
VBRコンソールを起動します。初回起動時にコンポーネントのアップデート画面が表示されるので、実行するサーバを選択し "Apply" をクリックします。
"Finish" がアクティブ化したら、"Finish" をクリックして表示を閉じます。
なお、他のコンポーネントへの適用を実施したい場合ですが、WebUI左上の "Upgrade" を選択すると実行可能です。
以上が VBR10a P20201202 のオフラインアップデート手順となります。